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支部だより

チリ支部発足 2013.04.25

  • 2013年04月30日(火)

首都のサンチャゴ市在住で天理大学卒業生(大39西)の笠飯さんから、チリ支部を立ち上げないかとの話を頂き、発足に至りました。笠飯氏も私も水産業界ですが、会うことは少なく、また南米地域でも同様の事情なので、天理の存在を示そうではないかというのが理由です。

私は、1981年(大29西)に卒業し、東京で水産物を南米から輸入するエージェント業務をする会社に入りました。それが始まりで1984年にアルゼンチンに渡り、1994年にチリで水産会社を立ち上げ、現在に至っております。私は、南米大陸最南端の南極に近いプンタアレナスという町に居り、ウニが豊富に採れます。日本の回転すしなどに使用される生食用ウニを輸出しております。この地域では、1年間で1万6千トン前後のウニの水揚げがあり、プンタアレナス地域でも毎年600~800トン、私の経営する会社ではそのうち250~400トンのウニを日本に輸出しております。ウニを乗せたお寿司の量にすると5千万~8千万個になります。卒業した時にはこんなに遠い所で仕事をするとは思いませんでしたが、スペイン語を学んだ事が発端となり、ここまで来れたのは本当に天理とのご縁だと思います。

商売では、多くの方々とお会いします。気心が知れてきますとその方々のもっと深い所まで理解できることが有ります。原体験という言葉がありますが私ながらに理解する所では、まだ世の中を知らない幼い者が知らないなりに体験したことを原体験と言うのだと思います。商いをする相手と話していると、時々その方の原体験の様なものが知らずして語られ、その方の商いの方法が何故その様な形をとるのか分るようなことがあります。そのような体験談を総合すると大学とは最高学府とは言われるものの、ひな鳥を育てる巣や稚魚が育つ波の穏やかな入り江のような性格を備えているのではないかと思います。そして、天理での年月が自分の形成に大きく関与したとすれば、支部の立ち上げも、若しかしたら自分なりに天理への恩返しになるかも知れないと思う次第です。(花岡)

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