会長あいさつ

天理大学ふるさと会会長 太田 登

 本年4月23日は、母校天理大学創立100周年の記念日にあたります。

 私たち卒業生としては、あらためて母校に思いを寄せる絶好の機会ですが、同時に母校のもとのおこりを再考する時間でもあります。

 いうまでもなくそれは創設者二代真柱中山正善の建学の理念に立ち返り、未来への展望をきりひらく智慧と勇気と熱情をもつことでもあります。


 母校とふるさと会へのますますのご支援を切にお願いもうしあげて、母校創立100周年を記念し、本会のホ-ムペ-ジを刷新するにあたり、ひとことご挨拶を申しあげます。

2025(令和7)年3月

2024(令和6)年6月


天理大学ふるさと会会長 太田 登

この度、新体制の発足にともない、本会の役員組織(本部役員、年度代表代議員、支部代表代議員、各部会代表代議員、会長推薦代議員)も一新されました。

ご承知のように、2025(令和7)年4月23日には、母校天理大学が創立100周年を迎えます。その母校は天理医療大学と統合し、新学部新学科を再編したばかりですが、学びの教育的効果があらわれるには時間がかかりそうです。

その意味では、創立100周年は、あらたな未来志向への第一歩として位置づけられます。私たち卒業生および天理大学ふるさと会は、その第一歩がゆるぎのないものとなるために、力の及ぶかぎりの協力をしたいと思います。皆様のお力添えをよろしくお願い申し上げます。

2024(令和6)年6月

2022(令和4)年5月


縁はつづく浜木綿の白い花


新型コロナウィルスが変異株を増幅し、いまだに不安な日常生活が続いています。くわえてロシアのウクライナ侵攻もあって、私たちは極度の緊張を強いられています。そうしたなかで、最近のことですが、縁や絆のめぐりあわせに心うたれることがありました。卒業生の皆さんは、ふるさと会館の西隅の植栽のなかに、浜木綿が植えられていることをご存知でしょうか。この浜木綿は、もともと本学の国文学国語学科の蜂矢宣朗教授が、旧文学部の研究室のあった木造モルタル造りの2階建て校舎の軒先に植えられたものでした。ところが1992(平成4)年に校舎が解体されるにともなって、この浜木綿も消滅する危機に見舞われました。そのとき、教え子のU君が引き取って世話をしてくれました。温暖な海岸の砂地に生育する浜木綿の花は、この天理では実を結ぶことは容易ではなく、10年の歳月をかけてようやく種子をつけることができました。そして2004(平成16)年にふるさと会館の竣工にあわせて、現在の場所に里帰りができました。

その浜木綿は台湾の東呉大学にもあります。天理大学を定年退職された蜂矢先生は、東呉大学専任教授として赴任、日本文化研究所に博士課程が設置された記念に、宿舎の庭に浜木綿を移植されました。そしてその日本文化研究所を退職されて日本に帰国されるとき、退職金をすべて研究所に寄付されました。それを基金にした「浜木綿」奨学金によって、優秀な日本文学・日本語学の研究者が育成されました。この6月に修了するIさんは、台湾大学修士課程のときの私の教え子ですが、「浜木綿」奨学金を給付され、みごとに文学博士の学位を取得しました。Iさんからの報告では、昨年3月に発行された「東呉日語教育学報」は蜂矢先生生誕100年の記念号であったとのこと。天理で種蒔きされた浜木綿の花にこめられた蜂矢先生の思いは、40数年後のいまもなお台湾で多くの研究者や学生たちの学びに受けつがれています。

2022(令和4)年5月

天理大学ふるさと会
会長 太田 登